目次

  1. 銘木との再会に導かれて

  2. 木を削ることは、祈りを刻むこと

  3. ペンはただの道具ではなく、希望を伝える器

  4. ともペン工房がこれから歩む道


1. 銘木との再会に導かれて

 先日、私は久しぶりに「ともペン工房」を訪れました。そこには、しばらく手をつけずに置かれていた木材が眠っていました。何気なく回収したその木材を前に、私は驚かされました。そこにあったのは、まだ十分に活用できる銘木たち。ウォールナット、欅、楠、屋久杉、黒檀……。一つひとつがペンの材料として輝きを放ち、まるで「私たちはここにいる。まだ物語は終わっていない」と語りかけてくるようでした。

 この豊かな木材を目にした瞬間、私は心の奥深くで「備えはすでに与えられている」という神様からのメッセージを受け取った気がしました。試験や将来に対する不安を抱えている私に、神様は木々を通して「必要なものは、すでにあなたのそばにある」と示してくださったのだと思います。


2. 木を削ることは、祈りを刻むこと

 工房に戻って木を削り始めると、不思議なほど心が静まっていきました。昨日までの試験の緊張感や不安はすっかり影を潜め、ただ木の香りと旋盤の音に包まれながら、私は一心にペンブランクを作っていました。その時間は、まさに祈りそのものでした。

 木を削ることは、単なる作業ではありません。木目に触れるとき、そこには大地に根を張り、長い年月を生き抜いてきた木の物語が刻まれています。その物語を手の中で形に変えていくことは、創造の営みであると同時に、神様から託された使命でもあります。

 私にとって木工は、静かな礼拝です。心を騒がせるものを手放し、ただ目の前の木に集中するとき、私は神様の御手とつながっていることを深く覚えます。木の香りは祈りの香のように立ち上り、削り出される一本一本のペンには、私自身の祈りが刻まれていくのです。


3. ペンはただの道具ではなく、希望を伝える器

 私は長い間、「ペンはただの筆記具だろうか」と考えてきました。確かにペンは文字を書くための道具です。しかし、そこに祈りを込めるなら、ペンは単なる道具を超えて「人を励まし、慰め、希望を伝える器」になるのではないか――そう思うようになりました。

 実際に、これまで私の作った「ふみペン」や「ともペン」を手にしてくださった方々から、「試験勉強のお守りになりました」「香りに癒やされながら日記を書いています」「祈りの時間にこのペンを使っています」といった声をいただいてきました。そうした証しを聞くたびに、ペンは道具以上のものになり得ることを実感します。

 だから私は祈ります。
 「どうかこの木々を通して、私の手から生まれるペンが、人々の心を励まし、慰め、希望を伝える器となりますように。私の作品がただの道具で終わらず、誰かにとって祈りの伴侶となり、信仰の証しとなりますように。」

 この祈りこそが、私がペンを削る理由であり、工房を続ける原動力です。


4. ともペン工房がこれから歩む道

 今回の銘木との再会は、私に大きな励ましを与えてくれました。木々は私にこう語りかけています。「まだあなたには道がある。あなたの賜物を用いなさい」と。

 これから新しい樹種のペンを作りながら、その一本一本に祈りを込めていきたいと思います。そして、その祈りが手に取ってくださる方の心に届きますように願います。

 ふみペン・ともペン工房の歩みは、まだ続いています。木の持つ物語と、人の心に寄り添う祈りをつなげる仕事。それが私に与えられた召命だと信じています。これからも与えられた銘木と共に、希望を刻むペンを生み出していきます。

ともペン工房(旧ふみペン)

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