目次

  1. 木と向き合う時間
  2. 木が語りかけてくる瞬間
  3. 一本のペンが生まれるまで
  4. 木言葉に込められたメッセージ
  5. 作品を通して伝えたいこと
  6. おわりに──木の声とともに生きる

1. 木と向き合う時間

木を削る音には、心を静める力があります。
木工机に向かって、手のひらにノミをあて、少しずつ削っていく。
そのたびに立ちのぼる香り、指先に伝わる木肌のぬくもり。
私はこの時間の中で、自分が木と会話しているような感覚になります。

ともペン工房の木軸ペン作りは、単なる「文房具づくり」ではありません。
それは、木の命と人の心を結ぶ、静かな祈りの作業でもあるのです。


2. 木が語りかけてくる瞬間

木は、決して同じ顔をしていません。
節の位置、木目の流れ、色の濃淡――どれ一つとして同じものはなく、
それぞれの木が「私はこうありたい」と語っているように感じます。

削っているとき、ふと手が止まることがあります。
そのときは、木が「もう少しゆっくり」と言っているように思えるのです。
焦って削ると割れてしまう。
けれど、呼吸を合わせるように進めると、不思議と形が整っていく。

木工は、自然との対話そのもの。
木の中には、長い年月を生きた証が詰まっています。
その声を聞き取りながら削ると、
やがて一本のペンが「なるべき形」にたどり着くのです。


3. 一本のペンが生まれるまで

木軸ペンは、一本の角材から始まります。
角材をカットし、穴をあけ、金具を通し、芯を仕込む。
仕上げには、手のぬくもりを移すように磨き上げます。

仕上げの瞬間、いつも心が静かになります。
「ありがとう」と声に出したくなるのです。
この木が、森から旅をして、
誰かの手の中で“書く道具”になる。
その命の循環に、自分も少しだけ関われた気がします。

木は、削れば削るほど、内側の表情を見せてくれます。
まるで、人の心のように。
だから私は、一本一本に時間をかけ、心を込めて仕上げています。


4. 木言葉に込められたメッセージ

ともペン工房では、作品ごとに“木言葉”を添えています。
それは、木が人に語りかけてくれる小さなメッセージです。

たとえば、クルミの木言葉は「知恵」
古くから知恵と繁栄を象徴する木として親しまれてきました。
ヒノキは「不滅」「清浄」
香りには心を落ち着かせる作用があり、神聖な場所にも多く使われています。
そして黒柿は「神秘」「静寂」
その深い黒模様は、時を超えて生まれる奇跡のようなもの。

木言葉を知ることで、
ただの素材が「心を映す鏡」へと変わります。
だから私は、木言葉を大切にして、
一本一本に“意味”を込めています。


5. 作品を通して伝えたいこと

私がペンを作る理由は、
「書く」という行為が、誰かの人生を整える力を持っていると信じているからです。

木軸ペンは、ただの筆記具ではありません。
手にしたときの温もり、香り、重み。
そのすべてが、持つ人の心を静かに支えてくれます。

日々の感謝を書き留めるとき、
祈りを綴るとき、
誰かに手紙を書くとき。
木のペンは、心の深い場所に寄り添ってくれる存在になる。

だから私は、この活動を“ふみペンミニストリー”と呼んでいます。
木を通して、神様が語る小さなメッセージを、
形にして届ける――それが私の使命です。


6. おわりに──木の声とともに生きる

木を削っていると、自分自身が整っていくのを感じます。
心がざわつく日も、木と向き合ううちに、静けさが戻ってくる。
木は、いつも変わらぬ姿で、そこに立っているからです。

もし、あなたが日々の中で少し疲れてしまったら、
木の香りのする場所で深呼吸してみてください。
そして、もしよければ、私の作品を手に取ってみてください。
木の声が、あなたの心にも静かに届くことを願っています。

このページの下に、ともペン工房の作品たちが並んでいます。
木のぬくもりとともに、
あなたの新しい一日が始まりますように。


まとめメッセージ

noteとminneがつながった今、
「伝えること」と「届けること」が同じ道の上に立ちました。
木の声を聴きながら歩むこの道を、
これからも一歩ずつ進んでいきたいと思います。

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